公益財団法人村田学術振興・教育財団の研究助成に本学3名の教員が採択

公益財団法人村田学術振興・教育財団の「第41回(2025年度)研究助成」に、総合人間科学部社会学科の中澤 秀雄 教授、理工学部情報理工学科の炭 親良 准教授、理工学部機能創造理工学科の富樫 理恵 准教授の3名が6月12日に採択されました。

【総合人間科学部社会学科の中澤 秀雄 教授】
研究課題:
「Carbon Technocracy から Carbon Democracy へ:日韓台における植民地期の石炭技術・労働・国家からの継続と転換」
研究概要:
本研究は、台湾・韓国・日本の石炭産業がCarbon Technocracy から Carbon Democracyへと体制転換する様相を比較分析する。石炭液化技術の試行過程における技術者の役割、旧植民地間の人的・技術的交流、権威主義的体制下での石炭労働組合の台頭など、石炭を軸に多角的な分析を行うことで、東アジアにおける社会経済的連続性と断絶の実態を解明する。次世代研究者の国際的ネットワーク強化にも寄与する。
■研究担当者(所属・職位・氏名):総合人間科学部社会学科 教授 中澤 秀雄
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【理工学部情報理工学科の炭 親良 准教授】
研究課題:
「LED 光源型光超音波を用いたヒト組織におけるベクトルドプラとマーカーとの観測精度の向上に関する基礎研究開発」
研究概要:
ベル氏が発見した光音響(PA: Photoacoustics)が最近にヒト病変組織の診断に応用される様になった。その様な中、申請者は固体レーザー型光源と比べLED アレイ型光源は高レート且つ安価であることに着目し、癌病変や血行動態や血流障害の診断のために超音波エコー法において世界的に先駆けて開発している軟組織動態と血流とのベクトルドプラ観測法(其々、又は、同時に観測、歪や歪率テンソルの観測が可能)とそれらの力学再構成法(ずり弾性率や粘性等の全基礎物性や、圧や弾性/消費エネルギー等全物理量)とをLED 光源型の実時間光超音波で行う研究開発を開始している。しかし、固体レーザーに比べ照射光強度が低いゆえに加算平均処理を要する。本研究は、基礎研究として、ヒトの手首浅在組織の脈動態や頸部の脈動態や自発運動による自然な運動下にある四肢筋肉等を対象とし、高精度な新しいマルチスペクトル信号処理を其々の適切な観測系を構築しながら開発し、力学再構成に必要なベクトルドプラ観測の精度を齎すLED 照射光強度を明らかにする。その際にはマーカーの定量性や視認性の高い高精度な観測法の開発にも取り組む。本研究は固体レーザー光源を用いる場合と対比して行われる。
■研究担当者(所属・職位・氏名):理工学部情報理工学科 准教授 炭 親良
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【理工学部機能創造理工学科の富樫 理恵 准教授】
研究課題:
「ナノコラム・薄膜・プラズモニック融合による次世代RGB モノリシックμLED ディスプレイ技術の創出」
研究概要:
本研究では、ナノコラム構造・薄膜構造・プラズモニック構造を融合させた、次世代RGBモノリシックμLEDディスプレイ技術の確立を目指します。特に、赤色InGaNにおける発光効率の低下という課題に対し、選択成長によるナノコラム化と表面プラズモン共鳴効果により効率向上を図ります。赤・緑・青の発光を単一チップ上に高密度に集積し、広色域かつ高色純度の表示を実現します。
本研究は、高効率・小型・低消費電力のμLEDディスプレイの実用化を加速し、AR/VRや次世代通信などへの応用が期待されます。
■研究担当者(所属・職位・氏名):理工学部情報理工学科 准教授 富樫 理恵
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