総合グローバル学部総合グローバル学科の山口 昭彦 教授が公益財団法人JFE21世紀財団の研究助成に採択

総合グローバル学部総合グローバル学科の山口 昭彦 教授が公益財団法人JFE21世紀財団の「2025年度 アジア歴史研究助成」に9月25日に採択されました

研究課題:「「クルディスタン」概念の歴史的形成過程」

研究概要:
「クルディスタン」(「クルド人の土地」の意)はクルド人の居住地域を指すペルシア語起源の単語であり、この言葉が指示する領域はトルコ、シリア、イラク、イランの国境地帯に広がると一般的に理解されている。本研究は、「クルディスタン」概念の歴史的形成過程をたどることにより、今日「クルディスタン」という語が喚起する民族的・領域的一体性を相対化することを目的とする。近年、クルド・ナショナリズムの高揚とともに、この語は民族固有の領土を表す用語として頻繁に用いられ、「クルディスタン」という地域的広がりが歴史を通じて常に存在してきたかのように語られることさえある。しかし歴史を遡れば、そのような一体性は前近代から近代にかけて徐々に想起されるようになったものであり、常に自明だったわけではない。本研究では、この言葉が初めて登場する14世紀頃から近世、さらには近代に至るまでの間にこの言葉がどのような用法で用いられていたのかを当時のペルシア語、アラビア語、オスマン語史料などを博捜することによって確認し、そのうえでこの概念が時代の流れの中でどのように変化してきたのかについて検証する。

■研究担当者(所属・職位・氏名):総合グローバル学部総合グローバル学科 教授 山口 昭彦
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URLアドレス https://www.jfe-21st-cf.or.jp/index.html