2025年度実践型プログラム「国連の役割と機能(国連集中研修)」を実施しました
2025年2月22日~3月2日、植木安弘特任教授にご担当いただく10回目となった実践型プログラム「国連の役割と機能(国連集中研修)」が実施されました。多数の申込の中から選考に通った25名の学生が参加し、ニューヨークにて研修に臨みました。

本研修は、多岐にわたる国連の仕事について、実際に業務に携わる現役の国連職員から直接講義を受け、国連の役割や機能を学ぶとともに、国際社会が直面する課題について理解を深めることを目的としています。
今回は渡航前の事前講義で、国連が2024年9月に開催した「未来サミット」で成果文書として採択された「Pact for the Future(未来のための協定)」についてグループごとに読み解き、5項目についてグループごとにをプレゼンテーション形式で発表しました。現地での研修前に国連が掲げる課題とそのコミットメントについて学ぶことで、さらなる疑問や自身の見解が生まれ、学生達の研修への意欲がより高まった様子でした。
また、今回はコロンビア大学ティーチャーズカレッジ勤務の長倉若さん、IOM駐日代表によるプレセッションも実施されました。
国連本部ツアーに参加した日はロシアのウクライナ侵攻からちょうど3年にあたる日で、本会議室では特別会合が開かれていました。日本でもニュースで大きく取り上げられていた戦闘の停止とロシア軍の撤退などを求める決議案がガラス越しに協議されており、ニュースで目にしていた光景が目の前で繰り広げられていることに学生達は感動するとともに、国連という巨大な組織を身近に感じる機会になったのではないでしょうか。

また、昨年度に引き続き、日本政府代表部を表敬訪問させていただき、山﨑和之特命全権大使と入谷公使より昨年の国連安保理理事会での非常任理事国としての経験をもとに、国連外交についてもお話をしてくださりました。
※訪問時の様子を、国連日本政府代表部ウェブサイトにてご紹介いただきました。
今回の研修では、NY TimesやNHKニューヨーク・ビューローへの訪問を通してメディアの観点からも国際情勢について学ぶ機会となりました。SNS世代として生きる学生達へ、ひとつの投稿に対しての「発信する側の責任」や、錯綜する情報の中から正しい情報を読み取る力を養う事の大切さについて非常に重要なメッセージをいただきました。報道現場の最先端の方々が世の中に正確で必要な情報を伝えるために貫いている姿勢を目の当たりにすることで、メディアのあり方を改めて考える貴重な学びになりました。


国連本部で行った講義や、UNDP、UNICEFでは例年通り各機関から国連職員をお招きして現場の声を多く聞かせていただきました。世界の平和と安全維持のために最先端で働く国連職員の方々はどのように業務に取り組まれているのか、毎セッション時間をオーバーするほど学生達からは多くの質問が飛び交い、プログラム後には参加学生から、「直接の対話を通して学ぶことで想像以上の学びがあった」という感想がありました。
今回でこの研修を立ち上げてくださった植木先生のご担当は最終回となりましたが、今後は近藤哲生先生にバトンを引き継いでいただき、国連に関する学びの機会を継続していくこととなります。これまで素晴らしいプログラムを継続してくださった植木安弘先生に、心から感謝を申し上げます。

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