実践型プログラム「エストニア・スタディーツアー:持続可能な社会構築に向けた教育の可能性」が開催されました。

2023年2月19日~3月1日に、実践型プログラム「エストニア・スタディーツアー:持続可能な社会構築に向けた教育の可能性」を実施しました。本プログラムは丸山英樹教授(総合グローバル学部・総合グローバル学科)によって2016年から実施されてきましたが、パンデミックに伴う中止やオンライン開催を経て、3年ぶりにエストニアへの渡航が実現しました。

学部1年生から4年生までの10人が参加しました

エストニアはバルト海に面した、人口およそ130万人の比較的小さな国でありながら、行政手続きの電子化をいち早く実現した「IT国家」として近年世界的な注目を集めています。電子化は教育分野にも広く導入されており、エストニアが国際的な学習到達度調査において世界トップクラスに位置する背景にはこの教育のデジタル化が大きな貢献を果たしていると言われています。

この研修はエストニアをフィールドとし、「教育」や「サステナビリティ」を中心に据えながら、参加学生の関心に合わせた小テーマを設定して学びを深めていきます。事前講義内で丸山教授と学生がディスカッションを重ねて、現地での訪問先を決めていくのもこのプログラムの特徴です。今回はタリン、タルトゥという都市の小学校や高校、大学、自然環境センターなどを訪問しました。訪問先の方との意見交換は「教育」や「サステナビリティ」をはじめとする多岐にわたるテーマに及び、参加者それぞれが様々に知見を深めた様子でした。

訪問先でのインタビューの様子

また、今回はタルトゥ郊外にある森のロッジで1日を過ごし、森林の中を散策する機会もありました。
エストニアは自然豊かな国として知られますが、実際に目にしたどこまでも広がる森林と雪景色は圧巻のひとことで、学生たちは「静寂」に耳を澄ませたり、雪上に残る小動物の足跡を探したりと全身で自然を味わっていました。
こういったエストニアの原風景の記憶もこのプログラムでの学びのひとつになりました。

雪深い森林と湿地帯の中を散策しました

今回のプログラムに参加した学生からは、エストニアのことを知ろうとするほど、翻って日本や日本人について考えるようになった、という声も上がりました。他者を学ぼうとすることは自分を見つめなおすことと表裏一体であるという気づきは、これから社会へはばたく学生たちにどのような意味をもたらしたのでしょうか。このように何層もの学びを味わえることもスタディーツアーの面白さと言えます。