日本語教育学コースの大学院生がボスニア・ヘルツェゴヴィナのサラエボ大学で夏期日本語講座を担当しました
2017年9月4~22日の3週間実施
2017年9月4~22日の3週間、本学日本語教育学コースで学ぶ大学院生3名が、南東欧に位置するボスニア・ヘルツェゴヴィナ国のサラエボ大学で夏期日本語講座を担当しました。
ボスニアでは、日本語や日本の文化に関心のある人々が多く、彼らが日本語を学ぶ機会を提供して欲しいとの要望が大学や日本大使館からありました。上智大学ではサラエボ大学と2015年に連携協定を結んで以来、学生交流や教員招聘などを行っています。
大学院生3名は、本学の教育イノベーション・プログラムの一環で派遣されました。日本語教師を目指す学生に実地での教育体験の機会を提供し、彼らの教育者としての資質向上を目指しています。
院生達は「学習者の関心・ニーズや生活コンテクストに配慮した日本語教育」の在り方を検討し、自らカリキュラムを作成しました。今回の一つの試みとして、初習者のために文字を学ぶコースと学ばないコースを設置し、多様な学習者のニーズや関心に応えました。
全体では6つのレベルのコースを開講し、約80名の受講生が学びました。講座の終了時には本学教員(言語教育研究センター小柳かおる教授および総合人間科学部教育学科小松太郎教授)による受講生への面接調査およびアンケートにより授業評価を行い、その結果は次年度の夏期講座に生かしていきます。
今回、派遣された大学院生は「日本語を通じた異文化理解・尊重の促進」にも取り組みました。上智大学は「他者のために、他者とともに」を教育精神としています。異文化背景を持つ学習者の関心やニーズに配慮した日本語教育法自体、その精神を反映したものになります。
派遣中は、サラエボ大学で異文化間理解と言語教育をテーマにセミナーが開催され、院生3名はそれぞれの取り組みを披露しました。また、セルビア系住民が住む地域に位置する東サラエボ大学においてJapan Dayを実施し、日本語・日本文化について紹介しました。
今後は、日本語教育を通じて戦争で分裂したサラエボ大学と東サラエボ大学の関係構築を促していく計画もあります。