実践型プログラム「アジアのなかの日本」を実施しました

2025年8月19日~24日に、実践型プログラム「アジアのなかの日本」を実施しました。本プログラムは今年が初の開催となりますが、様々な学部・研究科から12名が実習に参加しました。

本科目は、プログラム名の通り、アジアの各地域における日本のかかわりについてフィールドワークを通して学びを深めます。朝鮮半島の近現代史、日韓関係史を踏まえつつ、地域に目線をおき、過去の歴史と現在の理解を深めるきっかけを得るとともに、未来に向けた望ましい関係構築の視座を得ることを目的としています。毎年度テーマと渡航先が異なり、今年度は韓国の首都ソウルと仁川地域を中心に訪問しました。

渡航前には、担当教員の権香淑准教授及び李ウォンギョン准教授による事前講義が行われ、朝鮮半島の歴史や、日韓関係について学習しました。またCOIL(Collaborative Online International Learning:国際協働オンライン学習)授業として、仁荷大学とオンラインで接続し、現地学生と交流しました。

仁川では、旧市街地、官洞ギャラリー(日本式木造住宅をリノベーションした芸術スペース)を訪問し、官洞ギャラリーの戸田郁子館長からは仁川開港文化地区の説明や仁川の歴史について説明いただきました。他にも、韓国移民博物館や松島、独立記念館を訪問し、韓国と日本の歴史的関係についての理解を深めました。仁荷大学の学生とは事前学習で議論した内容を振り返り、アカデミックな交流ができました。

ソウルに移動してからは、植民地民族問題研究所、国際交流基金文化センター、韓国銀行、貨幣金融博物館、西大門刑務所歴史博物館、戦争と女性の人権博物館等を訪問しました。かつての日本の植民地支配と独立運動の歴史や、慰安婦問題について実際に現地に残された爪痕を見るだけでなく専門家の方々から解説いただくことで机上だけでは得られない学びを得ることができました。また、梨花女子大学では現地の学生と一緒に講義を受け、お互いがどのような歴史を学んでいたか、そして将来にどのように記憶していくかについてディスカッションをしました。

本プログラムを通して、短期間ながらも、両国の歴史と関係性について向き合い、更なる問題意識を深め、グローバル市民の一員として、「他者のために他者とともに」生きる倫理的姿勢を身に着けることに繋がりました。

仁荷大学との集合写真
仁荷大学との覚書調印式
現地大学との交流の様子