2025年度 実践型プログラム「インドの社会経済・人間開発に学ぶ:南インドのケララ州を実例に」を実施しました

 2025年8月4日~14日に、実践型プログラム「インドの社会経済・人間開発に学ぶ:南インドのケララ州を実例に」を実施しました。本プログラムは2017年度より実践型プログラムとして科目化され、コロナ禍を経て今回が5回目の渡航となりました。
 本プログラムは南インドのケララ州において、経済開発、労働問題、人間開発、環境問題、女性の権利や医療実態といった地域の抱える特徴や課題について考察し、現地の歴史・文化・社会についての理解だけにとどまらず、就労見学などを通じて急成長を遂げているインドを学び、途上国と日本との関わり方について理解を深めることを目的としています。
 5学部に所属する1年生~4年生、計9名の参加者は渡航前の事前講義3回に出席し、ケララ州の全体概要及び各自の研究テーマへの学びを深めた上で、プログラムに参加しました。
 現地でのプログラムは、午前中に現地協定校であるSt. Teressa’s College、St. Berchmans College、 Assumption Collegeにて講義を受講し、午後は講義テーマの関連施設やエリアを訪問するフィールドトリップで構成されています。

St. Berchmans Collegeでのwelcome ceremonyの様子。伝統的な衣装とバラで迎えていただきました。

 フィールドトリップでは、ユダヤ人が定住していた歴史地区Fort Kochiを訪問し、多様な文化が往来し、溶け込んでいった歴史を肌で感じたほか、政府後援のスタートアップ企業支援施設KERALA STARTUP MISSIONへの訪問や観光村Kumbalangy Villageでの漁業やココナッツ活用法などの見学を通じて、ケララの経済開発や人々の生活様式を学ぶことができました。

ユダヤ教の礼拝所。ユダヤの文化だけでなく、中国やベルギーなど多様な文化が詰め込まれた空間でした。
Kumbalangy Villageでの見学の様子。ココナッツの葉を編み、家屋の屋根として活用するそうです。

 各講義後には質疑応答の時間が設けられており、教授に積極的に質問する姿が見られました。また各講義やフィールドトリップには現地の学生が帯同してくれていたため、常に活発な学生間交流が行われており、学生たちにとっては講義やデータで分からない「生の声」を聞くことができ、現地の実情をより深く理解することができたようでした。

St. Teresa’s Collegeでの講義・質疑応答の様子。学生一人一人の質問に親身に答えていただきました。
St. Berchmans Collegeの学生との交流の様子。すぐに打ち解け、様々な話題で意見交換をする姿が見られました。

 「百聞は一見に如かず」という言葉の通り、学生たちは自身の目で見て、五感で感じることを通じて、日本で収集したデータだけでは想像し得ない実情を理解することができ、改めて現地調査の重要性を再確認していました。
 また各講義や現地学生の自文化・社会状況等への深い理解と知識に触れ、日本の歴史文化や政治経済状況についても再度見つめ直す必要があると実感した様子も伺え、新たな文化や世界との出会いと同時に、我に立ち返ることにもつながるプログラムとなりました。