長崎被爆者体験談講話 Stories from an Atomic Bomb Survivor sponsored by Nagasaki prefecture
2022年10月、オンラインで留学生を対象に被爆者体験の講話が行われました。
この講話は長崎県が「長崎を最後の被爆地に」との願いのもと、核兵器の非人道性と平和の尊さを全世界そして後世に語り伝えたいという思いから行われている平和推進の取り組みです。
講話者は95歳の築城昭平(ついきしょうへい)さんで、被爆した当時の状況を、自ら英語で説明いただきました。本学では第1回目となる開催でしたが、約50名の留学生がオンラインで参加し、関心の高さが伺えました。
築城さんが被爆されたのは18歳の時で、参加した留学生と年代が近く、様々なことをはっきりと記憶されていらっしゃいました。「当時原爆の存在を知っていましたか」という質問にも「言葉は聞いたことがあったが、本当に存在するのか、どれほど威力があるのかは知りませんでした」と当時の状況を詳しく教えて頂くことができました。
さらに、「自分の周りの皆がいなくなりました。今生きていられるのは、本当に自分はただ運が良かっただけだと思います。自分だけが運が良いのには何か意味があると思いました。それは原爆の経験を語り継いでいく役だと思いました。だからいまこうして原爆が二度と起こらないように自分の体験を語っています。」と築城さんはおっしゃっていました。
講話後の質疑応答では、原爆で困難な人生を送ることになったが、どのようにして精神的に強くなれたのか、今後どのような人生を生きていきたいか、今の世界情勢をどのように思っているかなど、多くの留学生が興味深く質問していました。
今回初めての被爆者体験講話でしたが、被爆者の方の高齢化が進む中、原爆を体験された築城さんのお話を直接聞けたことは、日本に来た留学生にとって、とても貴重な機会だったと思います。