1-4 上智大学 グローバル
1-4-1 スーパーグローバル大学創成支援事業 実績
2014年、本学は文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業(タイプB)」に採択された。「多層的ハブ機能を有するグローバルキャンパスの創成と支援ガバナンスの確立」を構想に掲げ、これまでの実績を基に、新たな教育プログラムの開発や学生交流の促進、内なる国際化の推進、ガバナンス改革における先導的試行への挑戦等を通じて、他の大学、ひいては日本社会のグローバル化を牽引できる存在となることを目指した。本構想計画の多くは、本学の長期計画「グランド・レイアウト」で推進するグローバル化やガバナンス改革の具体的なアクションプランと重なるもので、事業終了後も多くの取組は継続となる。
本事業の成果指標には、全採択大学共通の指標と、各大学が個別に設定する指標が定められた。共通指標には教職員のグローバル化に関わる数値、留学生の派遣・受入数、外国語による授業数などがあり、大学独自の指標にはダブル・ディグリー、海外大学院特別進学制度の締結数、海外の高校との連携校(海外指定校)数などを設定して取り組んだ。
外国籍、外国大学学位取得、在外教育研究歴を有する教員数
学部学科・研究科では長期計画「グランド・レイアウト」に則った中期的な人事計画に基づき、外国籍教員、海外で学位を取得した、あるいは海外で一定期間の教育研究歴を有する日本人教員の採用を積極的に行い、研究・教育にかかわる国際的な実績、評価を考慮した採用の必要性について、全学的な共通認識が定着した。2020年度より実績値(割合)では既に最終年度の目標値312人(57%)を上回り、事業終了まで順調に推移した。
外国語による授業科目数・割合(通年)
新規英語コース(SPSF)の開設もあり、大学院での外国語科目数の割合を除き、2021年度以降は学部において最終目標値の21.2%を越えて順調に推移した。全学部・学科の学生を対象とするグローバル教育開講の全学共通科目(教養科目)は、年間100科目の規模となる。外国語で思考し表現することができる人材の育成を目指す考え方が学内に広く浸透し、且つこれらの科目を積極的に受講する学生も増加した。
日本人学生に占める留学経験者の割合(通年)
本事業採択以降、実施している留学カウンセリング等留学支援制度の充実化や、交換留学協定校の着実な増加、海外短期プログラムやインターンシップ科目の拡充によって2019年度は1,000人となっていたが、2020年度はコロナ禍の影響で渡航を伴う派遣留学が全面中止となり激減した。2021年度後半より交換留学の渡航を一部再開し、その後、交換留学に続き短期の海外プログラムでも渡航型を再開した。世界情勢の変化や円安の影響による留学費用の高騰等、従来よりも留学の障壁となりうる事態も発生する中、目標値には届かなかったが、2023年度末の最終実績は889人(全学生の7.1%)まで回復した。
※日本国籍を有している正規学生数(全学生数)のうち、単位取得を伴う留学を経験した学生の数を示す(留学期間は問わない)。
全学生に占める外国人留学生の割合(通年)
交換留学協定校の拡充のほか、本事業採択以降に改編したサマーセッション・プログラムや、中国・太平洋州を主な対象とした短期受入プログラム、日本の最新情勢、環境問題等を扱うカスタマイズ型プログラムの拡充を進めた結果、年間を通じた留学生の受入数は高い水準を維持した。2020年度からは、外国人留学生の新規入国が中止となった影響を受け、交換留学等が一部のオンライン受講者に留まったことから、横ばいで推移した。しかし、2022年度以降は渡日留学の再開に伴い、交換留学生等の受入を中心に急速に回復し、2023年度末の実績は2,480名(全学に対する割合17.2%)となった。
※外国人留学生のうち、在留資格が「留学」の数に加え、「留学」の在留資格を有さない短期留学生等の数も含む。
大学間協定に基づく留学生数
交換留学協定校数は2023年度末までに63カ国343校に達し、事業採択前(2013年)の32か国169校から倍以上に増加した。協定校の地域別内訳は欧米が約7割を占めるが、その他の地域も全体的に増え、事業期間中には学生交流の地域の多様化が図られた。交換留学協定に基づく受入数は協定校数の増加と共に順調に推移し、コロナ禍での一時的な減少から一転、2023年度末には1000人(全学生数の6.9%)となり、目標としていた726人を大幅に超える実績となった。
一方、大学間交流に基づく派遣留学生数は、目標とした1600人(全学生の11%)には届かなかったものの、コロナ禍での大幅な減少から急速に回復した結果、993人(6.9%)を達成した。
1-4-2 派遣交換留学生数
本学が協定を締結している海外の大学への派遣留学生数および地域別の推移を示している。新型コロナウイルスの影響により、2020年度は交換留学を含む渡航を伴う学生派遣を全面的に取り止めとしたが、2021年度は長期間に渡る交換留学で特別審査を以て派遣を再開。一部の学生は、オンラインでの留学から開始し、2学期目に渡航に切り替えた者、2020年度秋学期からの留学予定を変更し、2021年度春学期にオンラインでの留学を実施した者もいる。2022年度にはコロナ前の留学生数にほぼ回復し、協定校によってはオンライン留学も可能ではあったものの、世界的に感染状況が落ち着いた背景もあり、渡航を選択する学生が圧倒的に多かった。継ぐ2023年度は全員が渡航留学を実現し、世界各国に約330名を派遣。全世界に広がる協定校から、学生個々の興味、目的やレベルに合わせて留学先を選択し、成長を遂げている。
1-4-3 協定校からの受入留学生数
本学が協定を締結している海外の大学からの受入留学生数および地域別の推移を示している。新型コロナウイルスの影響により、2020年度より一部学生については、オンラインでの受入を続けていたが、入国制限が緩和された2022年度からは春学期はオンライン受入か渡日を選択、秋学期は入国制限の撤廃に伴い、全ての留学生が渡日した。続く2023年度には渡日での受入を完全に再開し、留学生数は過去最高となる617名となった。ウェルカムレセプションや英語落語などの文化体験のほか、授業だけではなくサークル活動や交換留学生サポーターとの交流、高校生とのボランティア活動等を楽しむ学生も多く、留学に対する満足度は高いものとなった。
1-4-4 交換留学・学術交流協定校数
本学では、海外大学との交換留学・学術交流を推進するため、協定校の拡大に積極的に取り組んでおり、2012年以降、協定校数は毎年 20~30校のペースで急増し、それにあわせて交換留学の受入数、派遣数ともに増加傾向にあった。2019年度までの直近5年間では全体の9割以上の協定校と交流実績があり、年間350~500名の規模で相互に交換留学生の受入と派遣を行ってきた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2020年以降の新規協定校数の増加は緩やかになったものの、2022年には海外との往来が本格的に再開し、2023年度にはコロナ禍前の交流・提携活動の状態にほぼ戻っている。
地域別にみると、近年では、特に、ヨーロッパ、アジア、アフリカで協定校が増えている。ヨーロッパ地域では、2015年度に開始した外国語学部ドイツ語学科の在外履修制度に向けてドイツ語圏で多くの新たな協定校が加わったほか、東欧や中欧など、まだ提携のない国で協定校を積極的に開拓した結果、学生にとって留学先の選択の幅が大きく広がった。2023年度にはエストニアに初めての協定校が生まれたことに加え、アフリカにおける提携促進を続ける中で、2023年度はコンゴに初めての協定校が、ケニアに2つ目の協定校が生まれている。また、新規協定校の拡大のみならず、締結済みの協定校との連携強化や関係性の維持・発展にも力を入れている。
1-4-5 外国籍学生数
2011 年度の東日本大震災による留学取り止めや、2020年度から2021年度の新型コロナウイルス感染拡大による留学取り止めや入国制限の影響などで一時的に大幅減少している年もあるが、全体的には増加傾向で推移している。
国籍の属する地域ごとに見ると、アジア、北米、ヨーロッパからの留学生数が多い傾向にある。また、中南米、アフリカからの留学生数は、この 10 年で大幅に増加している。
1-4-6 語学科目受講者数
2012年度に一般外国語教育センターから言語教育研究センター(CLER)に改組し、語学カリキュラムの整備を行ってきた。2014年度からは、それまでの18言語にスワヒリ語、トルコ語、ベトナム語、ヒンディー語の4言語を加えて全22言語を開講している。
ここでは直近5年間の言語毎履修者数のデータを示した。
英語においては、必修科目Academic Communicationについて、2023年度入学者より検定試験スコア提出による単位認定制度を廃止し、入学時点で高い英語力を持つ学生でもさらに能力を伸長できる機会の提供を目指したAdvanced Ⅲレベルを新設し全員に履修させることとした。このことにより履修者数はやや増加した。
日本語については、2020年度から2021年度にかけての外国人の入国制限中は履修者が半減していたが、2022年度後半からの受入交換留学生受入回復に伴い、コロナ禍前の水準近くまで再び増加している。
初習20言語については、国際情勢の影響と思われる言語毎の人気の変動はあるものの、全言語合計の履修者数は、パンデミックによりオンライン授業を行っていた2020年度の一時的な急増を除き、安定して推移している。
(受講者数は短期語学講座・集中科目を除く)
1-4-7 インターンシッププログラム
上智大学では、2015年より、本学と協定を結んだ実習先でインターンシップ(就業体験)をし、事前・事後の講義受講や課題提出を行うことで単位を付与するインターンシップ科目を実施している。本科目では学生が就業体験を通して、グローバル社会の構造と実態を理解すること、社会で必要とされるコンピテンシーを向上すること、また大学における学修と実体験を結び付けることで、学びの深化と学習意欲向上に繋げることを目的としている。
実習先は国内・海外にまたがり、グローバルビジネス分野(グローバル企業等)、国際協力分野(国際機関、国際協力団体など)、グローバル・メディア分野(報道機関など)、グローバル・ポリティクス分野(在日大使館、研究機関等)と多岐にわたり、様々な実習の場を提供している。2023年度については、実習先の状況に応じて、対面形式もしくはオンライン形式で実施した。
1-4-8 海外短期プログラム参加者数
夏期・春期休暇中に行われるプログラムの参加者数推移を、全体数と地域別にまとめたものである。2019年度は、プログラム新設等により、ヨーロッパや東南アジアへの渡航人数が増加し、過去最多の学生が海外短期プログラムに参加した。
2023年度は、海外短期語学講座・海外短期研修・実践型プログラムの全プログラムを渡航型で実施し、535名の学生が参加した。
※海外短期語学講座、海外短期研修、実践型プログラムの参加者総数。
※2016年度以降は「カンボジア・エクスポージャーツアー(現「カンボジア・サービスラーニング・プログラム」参加者数を含む。
※2017年度の「イエズス会・東アジア5大学グローバルリーダーシップ・プログラム(GLP)」は本学がホスト大学となり日本にて開催された。6名の本学学生がプログラムに参加したが、上記には含まない。
※2018年度の「AJCU-AP サービスラーニングプログラム(SLP)」は本学がホスト大学となり日本にて開催された。9名の本学学生がプログラムに参加したが、上記には含まない。
1-4-9 短期受入プログラム参加者数
本学では、留学生短期受入プログラムとして50年以上にわたり「Summer Session in Asian Studies」を開講し、多くの留学生を集めてきた。2018年度より開講形態を一部変更し、「Summer Session in East Asian Studies and Japanese language」として7月に1回開講している。また、2013年度からは、主にオセアニア地域の学生をターゲットとして1月に「January Session in Japanese Studies」を開講している。
2023年度は、新型コロナウイルスでの中止、オンライン開催期間を経て、7月にSummer Session in East Asian Studies、1月にJanuary Session in Japanese Studiesを対面で再開した。
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