2-1 教育

2-1-1 在籍学生数

上智大学短期大学部英語科の入学定員は250 名、収容定員は500名である。社会情勢の影響もあり、2012年度から2015年度にかけて、収容定員充足率が100%を下回る年度が続いた。このような状況を踏まえ、2016年度より入学者募集に際し、受験生が平常時の授業を見学することができる「授業見学会」を開催するなど、本学の学びの可視化に重点を置いた入試広報活動を進めたことにより入学者数が増加、2017年度以降は入学定員を充足し、2019年度は過去10年間において、最も多い入学者数となった。2021年度・2022年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、急激に志願者が減少し、大幅な入学定員割れが続いた。2023年度も同様の状況であったことから、2023年4月に2024年度の学生募集を最後に2025年度以降の学生募集を停止することを公表した。
入学者の減少につれ在籍者数も減少しており、2023年度の在籍者数は304名となっている。

(算出日:各年度 5月1日)

2-1-2 卒業者数

各年度の卒業者数は、入学者数や退学者数等に伴い推移している。

2-1-3 入試状況

2022年度入学者は前年度をさらに下回る174名、2023年度はさらに減少して115名の入学者となり、入学定員250名を大幅に下回った。女子の共学・四年制大学志向など、近年の社会状況の変化による影響は大きく、特にコロナ禍以降3年は急激に志願者が減少し、大幅な入学定員割れが続いた。今後の短期大学部の在り方について、上智学院内で様々な議論を重ね、定員充足の努力を続けたが、最終的に、学校法人上智学院は2023年3月22日開催の理事会において、上智大学短期大学部の学生募集を、2024年度募集(2024年4月入学生対象の入学試験)を最後に、2025年度以降停止することを決定した。最後の入試となった2024年度募集は、64名の入学者となった。

2-1-4 休学・退学者数

年度による増減があるものの、全体としては休学・退学者数は40名前後で推移している2023年度は在籍者数の減少に伴い23名に減少している。
2013年度よりIR 活動を開始し、休学・退学に関する様々な課題の抽出を行い、カリキュラムや授業改善、サポートシステム等、休学・退学者の減少につなげる取り組みを強化している。また、入学後にミスマッチがないよう、オープンキャンパス等で本学での学びについて丁寧に説明している。2024年度からは従来のアドバイザー制度に加えて、学生1人に対しサブアドバイザー教員を2名配置することを決定した。成績不振の学生にはアドバイザー教員、保証人と学生の3者面談を実施する等、手厚いフォロー体制も整えている。

2-1-5 開講科目数

2005年度からセメスター制に移行し、それ以降科目数はほぼ変わっていない。学生は本学開講科目のほか、2012年度より導入された上智大学の科目等履修制度を利用して上智大学開講科目一部を履修することが可能となっており、学生の履修科目の選択肢が大きく広がっている。

2-1-6 公開講座

上智大学短期大学部のコミュニティ・カレッジは、本学が持つ語学教育のノウハウを活かした「英語」「スペイン語」の語学講座のほか、本学の特色の一つである児童英語教育に関する講座等を設けている。コロナ禍を受け2021年度以降は全講座をオンラインで開講し、年度を追うごとに受講者数は増加傾向にある。対面での実施時は、秦野市や近隣地域在住の受講生が中心だったが、オンラインでは、日本全国、また海外からの受講もある。

2-2 グローバル

2-2-1 留学プログラム

2011年3月に発生した東日本大震災の影響で、2011年度以降参加者数が減少し、40名前後で推移している。2012年度に在外ネットワークが充実している業者に変更を行い、海外留学時のサポート体制を強化した。2014年度以降の海外短期語学講座は、教育プログラムが確立されて質の高い指導を受けられるグロースターシャー大学とボンド大学に派遣先を絞り、実施している。2015年度より上智大学との共同企画で、ミクロネシア連邦異文化体験ツアーなど海外スタディツアーとして新たな派遣が開始された。2020年度は新型コロナウイルス感染拡大を受け、海外短期語学講座およびスタディツアーは中止となった。2021年度は新型コロナウイルス感染状況を踏まえ、現地派遣は実施せず、代替措置として学生がニュージーランドのオークランド大学で実施しているオンライン語学講座に参加するプログラムへ変更した。2022年度は夏期海外短期語学講座とスタディツアーは中止としたが、日本を含め各国で渡航制限が緩和されてきたため、春期海外短期語学講座(ニュージーランド)を実施した。2023年度は春期に加えて、夏期の海外短期語学講座の募集も再開したが、いずれも募集人数が最少催行人数を下回ったため中止となった。

2-3 学生生活

2-3-1 奨学金

修学奨励奨学金については、2013年度以降、奨学金選考方法の見直しを行い、家計困窮度をより厳密化することで、支援が必要な学生へ給付を行っている。
2016年度は新入生奨学金の出願者が増加し採用者も増えている。2017年度は修学奨励奨学金の採用者が増加した。しかし、2018年度以降日本学生支援機構給付奨学生が増加したため、修学奨励奨学金の出願者は減少し採用者も減少した。
2019年度には新しくソフィアキャンパスサポート父子母子家庭支援奨学金が創設され、支援制度を拡充した。
2020年度からは国の高等教育の修学支援新制度が本格的に運用され、日本学生支援機構給付奨学金の給付と共に、授業料と入学金が減免されることとなった。2023年度は学生数の減少に伴い、高等教育の修学支援新制度の対象者も減少した。

2-3-2 課外活動団体加入者数

新入生数は増加しているが、課外活動団体数の減少に伴い参加者数も減少している。以前は毎年新規団体が多数創設されていたが、後継者が見つからないため長く存続できず結果的に団体数の減少につながっているうえ、長く活動していた団体も後継者がおらず廃部になるケースが見られた。2017年度からは参加学生自体も減少しているが、学外の団体に所属する、あるいはボランティア活動を中心に活動する学生もいるようである。
2020年度においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で春学期はオンライン授業となり、どの団体も新入部員の確保に苦戦し、コロナ禍の活動は困難を極めた。そのような状況下で、オンラインでも活動継続が可能な団体が活躍し、2020年度は1年生の加入者を44%確保することができた。2021年度は授業形態がハイフレックスとなり、キャンパスに来校する学生と自宅でオンラインを受講する学生に二分化したためか、参加率が35%と落ち込んだが、2022年度には学生数は減少したが、参加率は38%と少し増加した。2023年度からは全面対面授業となったが、学生数の減少に伴い、課外活動団体も減少した。

2-3-3 サービスラーニング

サービスラーニングは社会奉仕活動(サービス)を通して社会参加を行い、そこで得られる学びと授業を通して得られる学びを効果的に結びつける試みである。参加する学生は各活動に関連する科目を履修し、その知識を生かして活動を行っている。カレッジフレンドとコミュニティフレンドは、2019年度より正課科目の実習としても組み込まれている。イングリッシュフレンドは、2023年度より秦野キャンパスを訪れる秦野市立小学校(全13校)の6年生に対し、英語アクティビティを実施している。
サービスラーニング活動に参加する学生の割合は、コロナ禍では全体の1~2割に留まっていたが、2023年度はコロナ禍以前の水準である3割前後に戻りつつある。

  • コミュニティフレンド:地域の公共施設で外国につながる子どもたちや市民へ日本語や教科学習支援を行う
  • カレッジフレンド:秦野市内の公立小・中学校で外国につながる子どもたちへ日本語や教科学習支援を行う
  • イングリッシュフレンド:秦野キャンパスを訪れる秦野市内の公立小学校の生徒に英語アクティビティを行う
  • キッズイングリッシュフレンド:秦野市立図書館等において乳幼児に対し、英語絵本の読み聞かせ等を行う

2-4 進路

2-4-1 就職状況

短期大学部学生は、英語力を期待しての求人も多く、製造業での事務職をはじめとし、サービス業など多岐に渡る業界でその活躍を高く評価されている。また年間30回を超える「就職ガイダンス」が開講されており、「自己分析」をはじめとする基礎講座から「SPI演習」「履歴書・エントリーシートの書き方」、卒業生による「就業体験報告」や企業の採用担当者による「企業研究セミナー」など様々なテーマで開催すると共に、きめ細やかな学生個人への支援体制を強化している。

2-4-2 編入状況

短期大学部卒業後に4年制大学へ編入学する学生の数は、平均すると80名程度である。特筆すべきは、過去5年間の平均で編入学希望者の90%以上が4年制大学への編入学を実現していることである。在籍者数の減少により2023年度は58名の編入学者に留まったが、それでもこの数は編入学希望者の86.6%にあたる。
短期大学部では、編入学を支援するため、編入学ガイダンスを複数回実施し、大学学部学科の選択方法、編入学試験の具体的な内容とスケジュール、編入学のための勉強方法、出願書類の書き方などの指導を丁寧に行っている。編入学先の内訳としては、上智大学が最も多く、学生は上智大学短期大学部生特別編入学試験(A 方式・B 方式)や一般編入学試験に合格し編入学を決めている。その他の大学への編入学者数は年度により変化しているが、東京女子大学には2010年度から2023年度の14年間において毎年編入学者を輩出している。

2-5 図書館

2-5-1 蔵書数

蔵書数統計は電算化を完了した2012年度より開始した。電算化したことにより、上智大学中央図書館等の図書の検索、取り寄せ、受け取り、返却が可能となった。図書の選定は、学問研究の基盤となる図書や人文科学系の専門図書を中心に行っている。

2-5-2 利用統計

年度による開館日数の違いを考慮すると、入館者数、貸出冊数ともに安定した数値で推移している。英語科であるため、洋書の特集展示を行うなど、洋書の貸出を促す取組みを行い、2018年度以降は洋書貸出冊数が増加傾向にある。
2020年度においては、新型コロナウイルス感染拡大により4月~6月まで図書館を閉館、その後もキャンパスへの入構制限により貸出冊数は減少したが、利用者へのサービスとして新たに郵送貸出サービスを実施、閉館時も利用者へのサービスを柔軟に行った。2020年度はコロナ禍で一時期図書館を閉館した影響か利用者も減少したが、2021年度はハイフレックス授業で来校し授業参加する学生も増え、利用者数が回復した。2022年度はコロナ以前と同様に全面対面授業となり、それに伴い利用者も前年度より増加となったが、2023年度は学生数の減少に伴い、利用者数も減少した。

2-6 教員

2-6-1 本務教員

※本務教員=専任教員、特別契約教授、特任教員、常勤嘱託教員

2-6-2 外国籍教員数

上図期間における外国籍教員比率の平均値は、本務教員24.1%、非常勤教員31.0%である。外国籍教員の一部は、語学科目のほか教養、専門科目等も担当しており、学生は語学以外にも英語による科目やゼミを履修することで、英語の実践力・応用力を伸ばすとともに、専門的知識を同時に身につけている。

(算出日:各年度 5月1日)

各エリアに含まれる国名

アジア インド、フィリピン共和国、タイ王国、中華人民共和国、台湾
オセアニア オーストラリア
北米 アメリカ合衆国
ヨーロッパ 英国

2-6-3 外国籍および外国大学学位取得者

2008年度以降、外国籍教員数および外国の大学で学位を取得した日本人教員数ともに数値にほとんど変化はない。全本務教員に占めるこれらの教員を合算した比率は50%を超えており、言語文化的多様性を持つ学生(全学生の10%)とともに、短期大学部の多文化共生キャンパスの中核を成している。

(算出日:各年度 5月1日)

2-6-4 教員に占める女性の比率

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