国際教養学科 シナバーガー 英利佳(実習先:駐日メキシコ大使館)
2021年度「グローバルインターンシップ(短期)」参加
私は将来のキャリアとして、外交官や国際機関の専門職員を目指しています。大学入学後は政治経済を中心に国際社会の現状や外交政策について学んできました。学業に専念するだけではなく、三年生になる前に実務経験を積みたいという思いが強くなり、今回のインターンシッププログラムに参加しました。
実習先は駐日メキシコ大使館で、メキシコ経済省の日墨経済連携協定日本オフィスに配属された私は、英日翻訳業務を主に行いました。オフィスには日本人が一人もおらず、メール作成やセミナー用資料の準備など、日本語に関わる業務のほとんどを一任されたので、緊張感を持って仕事に取り組みました。政府関連各所とのつながりはもちろん、経済・貿易分野においては民間企業や農林水産業界との連携も同等に重要視されていることを知り、大使館の多岐に渡る役割を垣間見ることができました。
これまでは、外交上必要なコミュニケーションというと会話力を優先しがちでしたが、文章作成力も重要だと改めて感じました。例えば文書の内容が発信先によって適切な単語を用いた言い回しになっているかなど細かい点に気を配らなければならないということです。私が在籍するFLAでは使用言語が英語のみで、日本語で文章を書くことが格段に減っていたため、日本人として母国語も常にブラッシュアップしておく必要があると痛感しました。翻訳業務を通じて、外交の場では外国語を専門的なレベルで使えるだけではなく、同時に母国語での文章力・表現力も不可欠だと気づくきっかけとなりました。
コロナ禍で、在宅勤務を含む制限のあるインターンシップでしたが、担当官だったメキシコ人の大使館公使の方から、これまでの経歴や外交官に必要なスキルと心得などについて具体的な経験談を伺うことができ、今後のキャリア形成に必要なことがより明確になりました。この有意義な6週間の経験がこの先大きな糧になると確信しています。