法学部 国際関係法学科 4年(2023年度 ロンドン大学SOAS<イギリス>)

2023年8月21日~9月8日の3週間に渡って実施された海外短期研修「ロンドン大学SOAS」に参加しました。

ロンドン大学SOASキャンパスの様子

①参加しようと思ったきっかけ

 私は語学の勉強だけでなく、より専門的で学術的な内容も学びたいと思い「短期研修」を選択しました。興味のある分野が法律や国際関係に関するものだったため、そのようなコースを選ぶことのできるロンドン大学SOASを選びました。

②プログラム内容

 参加者は①メディア入門(Introduction to the Media)②グローバルビジネス戦略(Global Development Studies)③International Relations(国際関係論)の3つの中からコースを選択できました。※コース内容は年度・時期によって変わる可能性があります。

 私は③国際関係論についての総合的なコースを選択しました。
 このコースでは国連の存在意義や、各地の紛争について概観し、紛争解決や課題についてのグループディスカッションなども行いました。
 グループディスカッションが授業全体の6.5割を占めており、時事問題を取り扱うことがほとんどで、2023年においてはロシア-ウクライナ問題や、トルコの移民問題、中国の経済発展による世界の情勢の変化などについて話し合いました。グループは講義によってある程度変化していましたし、コース内の生徒も多様なルーツを持っている人が多かったため、様々な人と楽しく議論できました。

参加者の多くは日本人ですが、留学生の友人もできるいい機会に!

 コースの最後にはグループ(自由に班分け)ごとに、国際問題に関する10分程度のプレゼンテーションを行う時間が設けられました。議題は10個ほど用意された中から選ぶことができ、詳細および準備はそれぞれのグループが決める形で行われました。私のグループは気候変動についてのプレゼンテーションを行いました。講義時間内で準備の時間を設けてくれていたため、特に私生活への影響はありませんでした。

 また、毎週2~4コマほど、英語学習の時間も設けられていました。そのコースに関連する語彙などを中心に、4技能をまんべんなく学ぶことができました。それ以外にも戦争博物館に行くなどの課外学習もあります。

 講義の時間帯についてですが、平日、毎日朝9時または10時から始まり、15時または16時に終わる、というようなスケジュールが基本です。そのため、月曜日に祝日があったり、時々14時に終わったりなどイレギュラーもありますが、普段の大学生活と比較すると若干ハードなスケジュールになります。頑張ってください!

③難易度

 参加前にはレベル10段階中8ほどのレベルと予想し、実際8ほどのレベルでした。
 英語学習を大学2年生以降サボってきたことや、語彙力が欠けている自覚があったため、ついていけるか不安なところがありましたが、「まあなんとかなる」と思い強気で参加しました。TOEICは725点、リーディングは苦手ですがスピーキングに苦手意識はない状態で参加しました。時々理解が追い付かなくなりそうな場面もありましたが、なんとかなりました。

 文献を読む機会とディスカッションの機会が非常に多いため、前者では速読の力が、後者では語彙力が求められます。
 特にディスカッションにおいては、どれだけ沢山討論に参加し、発言するかが非常に大切です。「頑張って話した」という達成感を得て次の成功体験につながりますし、評価にも影響します。
 語学留学ではなく、既に語学の最低ラインをクリアした人たちによる専門的な科目の研修という区分なので、分からない言葉はその都度素早く調べ、時間が足りない時はスマートフォンで翻訳をかけるなど、議論そのものに重きを置けるように工夫していました。その点、積極的に挑戦しようという気持ちを常に持ち続けていなければならないため、難易度は高く感じるかもしれません。ただ、もし相手や自分が詰まってしまっても、お互いに意図を汲み取ろうと助け合っていたので、焦るようなことはありませんでした。

 また、私の参加したコースに限っては、普段使用しないような専門的な語彙(主権=sovereigntyなど)が出てきます。そうした単語の日本語での意味や使われ方を知っている人、事前知識がある人は単語の訳さえ分かれば理解できますが、そうでなかった人は少し大変そうにしていた印象があります。
 ロンドン大学SOASの場合は公式HPにコースの内容についての詳細が書かれていたので、何について学ぶのかを少し予習しておくと安心かもしれません。

④現地での生活

 宿泊形態は寮生活でした。ロンドン大学SOASではDinwiddy Houseという寮に入寮します。キングスクロス駅から徒歩5~10分と非常に利便性に優れており、また寮から大学までは徒歩でもバスでも20分です。疲れているときはバスを利用していました。
 玄関口はオートロック、警備員も滞在しており、棟に入る際も鍵付きの扉が二重にあり、もちろん自室にも鍵がかかりますので安心して暮らすことができました。
 一方で、部屋の設備不良がいくつか見受けられますので、臨機応変に対応する必要があるかもしれません。

 自炊は大変かと思いますが、キッチンは充実しており、近くに安いスーパーやアジアンフードのスーパーもあるため、しっかり食べた方が良いと感じました。余談ですが、Dinwiddy Houseには飼い猫が2匹いて、癒されることも多かったです。

寮のキッチン。フロアによってキッチン用具の充実度は違う様です。

 治安は、良い地域と良くない地域があります。
 キングスクロス駅周辺は、人は大勢いますが混沌としており、ホームレス、物乞い、スリ、大麻使用者などには注意してください。特に大通りを少し逸れた道等はそのような人々に遭遇する可能性が高いため要注意です。堂々と颯爽と歩いていれば問題が起きることは少なくなるかと思われます。
 また、路上喫煙者が多すぎるため(日本の3倍はいます)、気になる方はうがい薬などを持って行くのがおすすめです。一方で、カンタベリーやオクスフォードなどの田舎の観光地は、治安が非常に良く、ゴミもなく、路上喫煙もほとんどありませんでした。情緒あふれる街並みが多く、1~2時間ほどで行けるため、是非訪れてみてください。

カンタベリーでフラットメイト(全員上智生)とリバーツアー
キングス・クロス駅でハリーポッターのイベントも!

 授業時間外の使い方ですが、基本的に観光やショッピングは、授業後または休日に行くことになります。そのため体力と気力が十分に必要になりますが、どこを訪れても非常に楽しく、またクラス内でできた他校の友人や他国の友人と外出することもあり、充実した日々を送れるかと思います。
 ミュージカルや体験施設などもあり、全てインターネットから予約できるため、是非足を運んでみてください。ロンドンの舞台は圧巻です。また、いたるところにパブがあるため、お酒を飲み過ぎないようにしてください!

オペラ座の怪人を観劇。一度は見ておきたい。