英文学科 森田 杏花 (アデレード大学<オーストラリア>)
交換留学 2015年春学期~秋学期
私は大学3年次の一年間を、南オーストラリア州の州立大学、University of Adelaideで過ごしました。上智大学の持つ数ある提携校の中から、交換留学生としてこの大学で勉強させていただけたことは、私の中で大きな財産となっています。
私は高校生の頃から、大学生になったら絶対に長期留学したい!と考えていました。高校生だった当時は、ただ単に漠然とした憧れや、自分の英語力がどこまで通用するか試したい、なんていった高飛車な考えで、『留学が必須の学部・大学に行きたい!』などと豪語していたことを覚えています。第一希望としていたその大学には合格することができませんでしたが、こうして1年間の留学を終えた今、負け惜しみでも何でもなく、『上智大学に入って、上智大学の制度を使って留学できて本当によかった』と思うことができています。
数ある提携校の中から私がオーストラリアを留学先として希望した理由は、①高校生の時に3週間のホームステイを経験し、その自由でのびのびとした風土に惹かれたこと、②先住民族であるアボリジニの勉強を、現在その地に住む人たちの目線でしたかったこと、③学期の始まりが春であるため、3年次に留学して帰ってきても4年間で上智大学を卒業でき、かつ就職活動にも影響がでないこと、の3つがありました。体育会の部活動にも所属していた私ですが、贅沢に自分のやりたいこと全てをやりきることができ、自分の選択にとても満足しています。
アデレードは、海と山と川に囲まれていながら、都会的な生活に何不自由ない便利な町でした。平日は大学へ行き、授業の合間に友達と勉強したり芝生に寝転んで昼寝したりし、夕方には夜ごはんの材料をスーパーで買って家に帰り、ハウスメイトのいる家でリラックスして過ごしました。土日は歩いて海に行ったりサイクリングをしたり、また冬期休暇などの大きな休みには友達と複数人でオーストラリア国内旅行を楽しみました。車を借り、家を借りて長期間友人と寝食を共にし、オーストラリアの広大な自然に触れることができた貴重な体験でした。
反対に試験前や課題が詰まっている時など、連日夜中の1時まで大学に残って勉強したことも良い思い出です。留学先の大学では、現地の学生と同じ環境・同じレベルで、英文学のみならず様々な分野の授業を履修しました。犯罪学や先住民学、アジア学などといった、これまで全く触れてこなかった分野の授業では非常に苦労したことを鮮明に覚えています。多くの専門分野を学ぶことができ、新しい知識ももちろんたくさんついたと思うのですが、私がこの留学生活を通して一番学んだと思うことは別にあります。それは、『自分の欠点やハンディキャップを補うために、自分にできることを見つけて実行することの大切さ』であると考えます。言語の面ではネイティブに劣る中、クラスメイトと対等に議論するために、扱うトピックに対する予備知識をどれだけつけるか、参考文献をどれだけ読み込んで理解して授業に向かうか、ということを徹底しました。
今後の進路ですが、2017年3月に上智大学を卒業します。帰国してから就職活動を始め、当初の希望とは異なりますが、来春より総合商社で働くこととなりました。留学したということ自体が就職活動でプラスになったとは思いません。しかし、留学中に経験した事をもとに、自分の価値観や考え方をあらためて整理できたことは、面接で多くの社会人の方とお話する上で大きな糧となったと感じています。
初めて親元を離れ海外で生活してみて、細かいところで多少の苦労はありましたが、家族同然の友達に囲まれ助け合った本当に素敵な1年でした。