2020年度に行った本学の主な取組みを紹介します

国際教育プログラムのオンライン化促進

オンラインプログラム「東南アジアに学ぶ」の様子

国際教育プログラムのオンライン化を進め、短期派遣プログラム7コースに計40名が参加。実践型プログラム「アフリカで学ぶ」、「バンコク国際機関実地研修」もオンラインで開講し、学生は講義・バーチャルツアー・グループ討論を通じて相互理解を深め、オンラインならではの創造的な学びを経験した。長期では12名の学生が交換留学生として海外協定校の授業を履修。単位付与を伴わない研修では、アセアン地域の協定校4ヶ国5大学と連携した新規プログラム「東南アジアに学ぶ:強靭で持続可能な未来社会の共創」に総勢184名が参加。米ゴンザガ大との集中研修と合わせて本学から計55名が参加した。受入においては交換留学生として対面・オンライン合わせて120名超を受入れたほか、短期プログラムで「January Session」、院生向けプログラム「地球環境最前線からの招待」をオンラインで実施し、110名以上を受入れた。グローバルインターンシップは国内の外資企業と第2クォーター及び夏期休暇を組み合わせたプログラムや駐日外国公館、外国文化機関等との連携によるプログラムをオンライン化して拡充し、国内でも国際的なキャリアを意識しながら学ぶことができる機会を提供した。

外国人留学生の就職支援体制の強化

Webキャリアセンター外国人留学生ページ

外国人留学生の就職支援体制強化の一環として開講したキャリアデザイン教育科目を36名が受講し、日本での就職活動に必要な準備を継続的に行った。「キャリア支援セミナー」は大学院生や非正規生も含め、広く外国籍学生を対象とし、早期の就職準備を意識付けする目的で開催。また、コロナ禍を受けてオンデマンド動画コンテンツもテーマ別に作成し公開した。夏季休暇中には学生6名がオンラインでのインターンシップに参加したほか、「個別相談会」もオンラインを利用し、コロナ禍で就活弱者になりがちな留学生の個別サポートを重点的に行った。これらの活動により、参加した外国人留学生は日本での就職活動に必要な知識やコミュニケーション能力を身につけるとともに、各々が希望する進路実現に向けて納得したキャリアデザインを描くためのヒントを得た。

「内なる国際化」を推進する交流プログラムの実施

一保堂によるお茶の淹れ方講座

海外や地方在住でも参加できるオンライン形式で、かつ講義形式よりも体験形式のプログラムを多く開催し、「人と人」、「大学と学生」、「社会と学生」といった様々なつながりを強く意識したプログラムを提供した。日本文化体験では、オンライン形式の特性を活かし、風鈴絵付け(東京:篠原まるよし風鈴)、和菓子(金沢:加賀藩御用菓子司森八)、匂い袋(京都:山田松香木店)、お茶(京都:一保堂)等の文化体験においては全国各地の職人や生産者の協力を得てつながることができ、Sophia Integration Programの新たな可能性が広がった。

IR調査結果の利用・学外への情報発信・研究分析ツールの活用

本事業によって構築したIR推進体制を駆使し、教学、経営財務、世界大学ランキング等各種データ分析を行った。学生調査については、新型コロナウイルス対応の状況確認を目的とし、春・秋学期に学生向けのオンライン授業アンケート、秋学期には教員向けオンライン授業アンケートを実施し、授業方針・授業運用の検討材料とした。また、新規英語コース(SPSF)について、志願者動向やWebアクセス動向、入学後の学生調査などを多角的に分析し、入試や教学の施策につなげている。さらに、本年度開設したファクトブックサイトでは、Tableauを使った動的なグラフで大学の諸活動を確認できるようにした。また、THEインパクトランキングへのエントリーを機に大学のSDGsにかかる取組みを紹介するWebページを公開し、学外への情報発信、ならびに大学構成員のSDGsに対する意識の醸成につなげた。研究分析ツールについては、大学ランキングのレピュテーション対策用のデータ分析の他、学内の教員・研究者向けに、オンラインによる操作説明会を複数回開催し、教員の意識向上とともに、学内でのランキング向上に向けた取組みの議論の活性化に寄与した。

上智大学 SDGs&サステイナビリティ

国際アドバイザリーボード(外部評価委員会)の開催

アドバイザリーボード会議の様子

第3期国際アドバイザリーボードメンバーによる会議を2回開催。9月は「ポストコロナ世界における大学の存在意義、上智大学の進むべき方向性とは」と題し、コロナ禍以降の「大学」という場の意義・役割・その変化について幅広く意見交換するとともに、日本の大学全体や本学で目指すべき教育内容、教育体制、学生が身につけるべき能力等について議論が行われた。3月は「グローバルリスク、SDGsと大学:高等教育と社会の関係」と題し、SDGsに関する教育研究活動を振り返りながら、次なるステップに向けた教育活動の充実化や、具体的な教育プログラムのアイデア、学生への意識付けの重要性、グローバルリスクを念頭に置いた教育研究分野等について活発な意見交換が行われた。

新規英語コース(Sophia Program for Sustainable Futures: SPSF)の開設

SPSFの紹介webページ

構想計画どおり、本年度秋学期から教育、社会、経済、総合グローバルの計4学科で先行して開設した。重点的な広報活動が功を奏し、初年度には約300名の志願者が集まり、37名が入学した。入学者の3分の1は海外からの留学生で、日本人学生も多様な背景を持つ学生が集まり、「持続可能な未来」を共通テーマに、専門分野の異なる学生間でそれぞれの視点や思考法が比較・共有され、多様性に対する感性が養われる。必修のコア科目「Academic Writing」、「Critical Thinking & Discussion」、「Academic Presentations」の構築には本事業の構想により雇用されている言語教育研究センター特任教員も中心的に関わっており、本事業で推進された体制やノウハウを活用した運営が行われている。
SPSF紹介

海外大学及び高校との連携の拡大

チュニジア初の協定校 スース大学

コロナ禍においても新たに9校と交換留学協定を締結し、交換留学協定校は61カ国332校にまで拡大した。また、海外指定校は新規締結には至らなかったが、海外拠点を通じたリクルート活動やこれまでに確保した指定校の活用により、令和3年春学期の海外指定校からの留学生数は過去最高となった。

教職員のグローバル化促進

職員3名がオンライン英会話とe-ラーニングプログラムを受講した。また、複数の学部の教員7名が協定校であるBoston Collegeのオンライン講座「Creating Online Learning Environments in Higher Education Spaces」を受講し、オンライン授業における効果的な教授法やオンライン環境の整備について学ぶとともに、米国側参加者との情報交換や国際協働学習の実践について協議する機会を得た。

本事業による教育プログラムへの参画につながる啓発イベントの実施

国連weeks;グランデイ国連難民高等弁務官

「国連の活動を通じて世界と私たちの未来を考える」をコンセプトに、10月に全てオンラインで「国連Weeks」を開催。期間中には国連75周年記念担当国連事務次長を招いたシンポジウム「グローバル課題の解決に向けたグローバルな行動~感染症、地球温暖化、軍事紛争~」や国連難民高等弁務官を招いたシンポジウム「多国間主義と人間の尊厳を求めて」等を開催し、本学の教育精神を念頭に、よりよい世界の実現に貢献することを考える多くの機会を多く提供。国内外から延べ約2,200人以上が参加した。

特性を活かした海外拠点の運営と自走化への取組

湘南高校生とタイの高校生のオンライン交流プログラム

自走化への取組みの一つとして現地会社法人化を行ったASEANハブセンター(タイ)では、収益事業の一環としてオンラインを通じて高校生ならびに社会人を対象としたプログラムの拡充に成功し、コロナ禍における高大連携、国際交流、社会人教育の推進の一翼を担うとともに本学のプレゼンスの向上に寄与した。
また、米国および中国の拠点において、他の複数の日本の大学とも協働しながら留学説明会をオンラインで実施。有力な現地高校、インターナショナルスクール等に向けて積極的なリクルート活動を行った。